教科学習の特色
活動から学ぶ教科学習
開智では学年ごとの少人数クラスで各教科の授業を行います。どの教科でも、お互いに「学び合う」活動を通して、単なる知識の獲得にとどまらない、思考力・表現力を高める「探究型授業」を実践しています。
「豊富な語彙力」「論理的思考力」「確かな表現能力」といった『学びのツール』を獲得するために、国語科は非常に重要な役割を課せられています。開智では、言語能力を高いレベルに導き、幅広い教養を獲得できるよう、他教科とも関連させながら、様々な活動に取り組んでいます。例えば、7・8年生で行う「小論文」の作成があります。少子高齢化や環境問題など、月ごとにテーマを決め、年間を通して情報収集や執筆活動を行います。また小論文作成とリンクさせる形で「ディベート」の指導も行います。言語を高度に駆使し、時と場合に応じて適切に受信・発信する能力もこれから必要とされる力です。また幅広い教養の中で、自国の文化への理解を深めるという観点から、古典学習にも力を入れています。プライマリーのうちから全員が『百人一首』の暗唱を行い、日本文化への理解を深めています。
開智の算数は、子ども達の「考える力」を育てます。ここで言う「考える力」とは、何か答えや解法を「思い出す力」ではなく、「自らつくり出す力」です。算数・数学の問題は正答が決まっているクイズではなく、自分たちで試行錯誤を繰り返し、方法やきまりを見つけ出していくものだと考えています。例えば、ある問題にたいしていろいろな方法で解いてみることを積極的に行っています。子どもたちはお互いに自分の考えを発表しあうことで、新しい発見をし、考えることの楽しさを学んでいくのです。また、セカンダリーでは、通常の算数学の授業とは別に「算数研究」という授業を行っています。これは、一人ひとりが算数に関するテーマ(「数」「図形」「パズル」など)を設定し、自分たちの興味関心のあるテーマに基づいて参考文献を読んだり、取材を行い、研究成果を発表したりする活動です。
開智の算数学では、問いに対する答えを導き出すだけではなく、いろいろな解法を考えてみたり、自らの手できまりを見つけ出したりする活動を多く取り入れています。実際の生活と密着させ、「見る・触る・作る」といった活動とも結びつけながら、「考える力」を身につけます。
開智の理科では、「一次情報の獲得」を中心に授業を展開していきます。「一次情報」とは、結晶を自分の目で観察したり、カイコを自分の指で触るといった、私たちの五感を用いて直接得る情報のことです。開智の理科の授業では、実験(実際に行う活動)を通して、自分自身の手や足、目や耳を使って「学び」を実践します。写真は「中和滴定」の実験の様子です。6年生になり、知識を得た上で行う本格的な実験なのですが、「酸性の水溶液にアルカリ性の水溶液を混ぜて中性にするだけなのに、一滴の違いで変化が起こるよ」と説明すると、緊張しながらも真剣に実験に取り組みます。とても面白い一次情報の獲得と、思考・検証の連続です。直接得た一次情報の獲得から、思考と検証を繰り返し行うことで、子ども達の学びが深まります。その成果は今すぐに確認できるものとは限りませんが、児童生徒の「生きる力」に直結する活動だと考えています。
開智の理科では「観る、触る、食べる」から得られる一次情報の獲得を重要なものと考えています。これを基に様々な思考を行い、さらには自主的な検証へと学習を発展させます。なぜなら、この流れが、中学校、高等学校、そして大学でも必要になる「理科の学び」だからです。
3年生から始まる社会科では、身近な社会に目を向け、そこから視点を外側への広げていくことを大切にしています。教科書の内容だけではなく、時事ニュースも積極的に授業に取り入れ、世の中のことに積極的に目を向け、考える時間を作っています。学年が上がっていくにつれて、子どもたちの視点や行動範囲が広がり、様々な事柄を自ら発見する機会や疑問に思うことが増えていきます。その疑問を大きな学びのタイミングととらえ、発見(!)や疑問(?)を書いてまとめる「リサーチブック」を一人一冊作成する取り組みを行っています。一人ひとりが興味関心を持ったことや疑問に思ったことをテーマに、「?(なぜ)」と「!(おもしろい)」を必ず自分の考えやコメント付きでまとめるようにしています。そして、教員もリサーチブックにコメントを返し、好奇心や意欲を高めながら取り組みをサポートしています。
開智の社会科では、プライマリーでは身近な世の中の仕組みについて、セカンダリーでは地理・歴史・現代社会の様々な事象に対して、積極的に疑問・興味を持つことから始め、そこからの気づきを大切に、考えを深めていきます。